医療機関のキャッシュレス決済を負担から武器にする!(医療機関キャッシュレス決済 その2)【読了目安:約3分】
診察が終わったのに、会計で30分待つ。体調が悪いなか、うんざりしますよね。
診察は5分、会計待ちは30分、総合病院では、残念ながら珍しいことではありません。
この時間は、患者さんにとっても、窓口スタッフにとても大きなストレスです。
前回の投稿では、医療機関が決済手数料を一方的に負担している「構造的な歪み」について書きました。
確かに、公定価格で運営される医療機関にとって、数%の手数料負担は重いです。
しかしこのコスト、マイナスな点ばかりでしょうか?
支払った手数料以上の価値を、業務再設計で生み出せるかという視点で見てみます。
近年導入が始まりつつあるのが、「後払い型キャッシュレス決済」、つまり、クレジットカード情報を事前登録し、診察後に自動決済するしくみです。
一見すると「患者向けのサービス向上」ですが、本質は「病院のオペレーションそのものを変革するトリガー」になります。
私は、特に下記の3点が大きな効果があると考えます。
① 会計待ち時間の短縮
診察後の会計待ちは、患者満足度を下げる大きな要因の一つです。
特に、
・小さなお子様連れ
・高齢者
・体調が悪い患者さん
にとって、「待たずに帰れる」という価値は非常に大きいでしょう。
これは単なる効率化ではなく、“選ばれる病院”になるための患者満足度(CS)の改善でもあります。
② 未収金リスクと“見えないコスト”の削減
後払い決済では、事前のオーソリ確認や決済保証により、未収金リスクを下げられるケースがあります。
実際、未収金対応には、
・督促連絡
・請求書郵送
・再請求
・確認作業
など、多くの労力と精神的負担が発生しています。
この「見えにくいコスト」は、想像以上に現場を疲弊させています。
③ 医事会計業務の効率化
医療現場では今も、
・レジ締め
・釣銭準備
・現金管理
・銀行入金
など、多くの医事会計業務が残っています。
これらを減らすことで、スタッフをより付加価値の高い業務へ再配置や人員不足に対応できる可能性があります。
例えば、
・患者サポート
・複雑な医事対応
・地域連携
・相談対応
など、“人にしかできない業務”へ
それが、DXの本質です。
「システムを導入したこと」ではなく、“業務をどう再設計するか”です。
・患者導線をどう変えるか
・未収金管理をどう減らすか
・何の業務を減らせるか
・浮いた時間で何を生み出すか
もちろん、決済手数料や社会制度上の課題など、病院単独では解決できない問題もあります。
それでも、
キャッシュレスを「コスト」と見るのか。
それとも、病院運営をアップデートする「投資」と見るのか。
この視点の違いが、数年後の病院経営に大きな差を生む気がしています。
この視点は、医療機関だけにとどまらず、他業界でも共通することではないでしょうか。
皆さんの施設では、キャッシュレス化は、負担ですか?
それとも業務改善の入口ですか?

