ベンダーが作る医療システムは、どうして医療現場とずれるのか。

病院でシステム導入を経験すると、よく感じます。

その理由の一つは、多くのシステムが標準化を前提に設計されているからです。

医療現場には診療科ごとの違い、施設ごとの運用の違い、そして患者さん一人ひとりの個別性(バリアンス)があります。

一方で、事業会社は多くの医療機関で利用できる標準仕様を作らなければなりません。

その結果、

・現場は「使いにくい」
・ベンダーは「標準機能で対応できる」

という構図が生まれます。

ただし、私は「現場に合わせて全てカスタマイズすべき」とは思いません。

HISやLISなどのシステムには、多くの医療機関で培われた知見やベストプラクティスが詰まっています。

いわば、これが “日本の標準仕様” なのです。

現場の運用を見直さず、そのままのカスタマイズは、

・導入コストの増加
・保守負担の増加
・アップデートの困難化

につながります。

だからこそ重要なのは、

「システムを現場に合わせる」
「現場をシステムに合わせる」

という二者択一ではなく、

患者さん中心の視点で、

どこを標準化し、
どこに柔軟性を残すのか

を見極めることだと思います。

DXは業務をそのまま置き換えるシステム導入ではなく、業務と組織を再設計しながら導入する取り組みです。

そして、AX(AI Transformation)の時代には、この長年の課題に新しい解決策が生まれるかもしれません。

これまでは、

「標準化すると現場に合わない」
「現場に合わせると複雑化する」

というトレードオフがありました。

しかしAIが現場の運用や患者さんごとの特性を学習し、人の意思決定を支援できるようになれば、標準化と個別最適化を両立できる可能性があります。

医療DXの次のテーマは、

「人・業務・AIをどう最適化させるか」

なのかもしれません。

これまで難しいとされてきた課題を、AXが解決する未来は、思ったより近いのではないでしょうか。

みなさんは、AX時代の電子カルテ、医療システムに、どんな可能性を感じますか。

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