医師は足りないのか?それとも余るのか?実はこの問い自体がズレています。
結論から言えば、「いまは不足、将来は過剰」です。
■ 現在:不足しているのは“総数”ではありません。
問題は、医師の偏在です。
・場所:都市に集中、地方で不足
・診療科:外科/産婦人科/小児科/救急は不足
・年齢:地方ほど高齢化(50代半ばが中心)
・医師の働き方改革の影響
地方では、60歳超の医師が普通に現場を支えています。
これは“持続可能な構造”ではありません。
■ 未来:なぜ医師は余るのか
需要が減るのに、供給は止まらないから
・人口減少(患者が減る)
・医師数は増え続けている
・医療需要のピークアウト
そして、医学部人気。少子化の中でも志願者は高水準を維持しています。
つまり、「医師になりたい人は減っていない」にもかかわらず、社会側の需要は減っていく。
つまりこれは、「医師過剰時代の入口」です。
それに対し国は、
2027年度以降、医学部定員を段階的に削減。
2028年度には31都道府県へ拡大。
と、医師の過剰対策に舵を斬っています。
■ すでに起きている“制度の歪み”
地域医療を支えるはずの「地域枠」
実態は、7.4%がその義務を離脱しています。
ただし、これは本人だけの問題ではありません。
背景には、専門研修・進学・ライフイベントといった構造的要因があります。
その結果、「地域のための制度」で確保した医師が、地域に残らない。
つまり、個人の問題ではなく構造の問題です。
■ 医師が余ると何が起きるか
・医療費の増大(供給が需要を生む)
・医師の質のばらつき
・給与低下、雇用不安
・他職種領域への進出
これは“医療の構造の変化”です。
■ では、地方・医療機関はどうするか?
ここが本質です。
国は制度を作る。
しかし、現場を変えるのは医療機関です。
■ 解決の鍵は「DX」
単なるIT化ではありません。
医師依存構造の再設計です。
具体的には、
① タスクシフトやIT化の推進
→ 医師が5分かけていた問診を1分に短縮するAI問診
→ 他職種への権限移譲
② 診療の標準化
→ バラつきを減らし、医師の質依存を下げ、AI等の力を活用して診療の質を保つ。
③ 遠隔医療・連携
→ リモート診療、診断
④ データドリブン経営
→地域の疾患構造から“必要な医師像”を逆算する
これから、「医師を増やすか?」ではなく「どう配置するか?」
医師過剰時代に必要なのは、必要なところに必要な機能を配置できる「医療機能の設計」と考えます。
あなたが医師なら、これからの医療構造の変化の中で、どこで、どんな役割を選びますか?
都市か地方か。専門特化型診療か総合診療か。リモートか対面か。
その選択の理由もぜひ教えてください。
2028年度から医師多数県「以外」でも医学部入学定員を減員へ、地域枠医師の義務履行の柔軟化を検討—医師偏在対策検討会 | GemMed | データが拓く新時代医療

