災害トリアージから考える医療は公平なのか? 医療の価値って何だ?
大規模災害が発生したとき、現場ではトリアージ(緊急度の選別)が行われます。
赤(最優先治療)
黄(準緊急)
緑(軽症)
黒(死亡・救命困難)
限られた資源と時間の中で、より多くの命を救うための判断です。
しかしこの状況では、すべての人に同じ医療を提供することはできません。
平時であれば救えたかもしれない「黒」。
それでも、この場では優先度は最下位になります。
もしそれが、自分の大切な人だったら。
「何とか助けてほしい」と願うのではないでしょうか。
これは極限の話ですが、本質は平時でも変わりません。
診療報酬は、月の制限回数があったり、対象外の処置や検査等もあります。
必要な検査であっても、保険請求ができず病院負担になることもあります。
医療の価値とは何でしょうか。
もちろん、命を救うことです。
しかし、それだけでは医療は定義できません。
医療には少なくとも3つの価値があると考えます。
① 個人にとっての価値
その医療が、その人の人生にとって意味があるか。
救命、延命、苦痛の軽減、QOL。
② 医学的な価値
科学的に有効で、安全で、再現性がある診断・治療。
③ 社会としての価値
限られた資源の中で、合理的に支えられるか。
この3つは、しばしば一致しません。
財源も、人材も、時間も有限である以上、医療は常に「選択」の上に成り立っています。
もちろん、私たちは最善を尽くします。
しかし現実には、すべてを救うことも、すべてを満たすこともできません。
また、延命や治療を望まない選択も尊重されるべきです。
だからこそ問われています。
どの選択が、その人にとって、家族にとって、そして社会にとって最善なのでしょうか。
医療の価値とは何か。
公平な医療とは何か。
これは個人の問題であると同時に、社会構造の問題でもあります。
数十円の治療薬もあれば、最近では数千万円の治療薬もあります。
そのすべてを同じように社会保険制度で支え続けることは可能なのでしょうか。
私は、医療において最も重視すべきは、患者のQOLであると考えています。
そして同時に、現在の保険診療制度が変革の時なのかもしれません。
限られた資源の中で、何を守り、何を選択するのか。
その議論は、避けて通れない段階に来ているのではないでしょうか。
あなたにとって、医療の価値は何だと感じますか。

