【第28回日本医療マネジメント学会レポート 2/3】「2040年への地域医療構想」を現場目線で考える
① 「2040年へ向けた新たな地域医療構想について考える」
をテーマとしたシンポジウム。
厚生労働省、全日本病院協会、地域包括ケア病棟協会など、医療政策・病院経営の中核を担う方々による、非常に熱量の高い議論を聴講しました。
特に深く考えさせられたポイントを共有します。
・「2028年までの決断」と“救急にならない医療”へのシフト
2040年に向け、85歳以上人口が急増する中で、
・高齢者救急
・肺炎
・骨折
・心不全 等
を、地域全体でどう支えていくのか。
議論の中では、2028年までに病院機能の方向性を決めていかなければならないというリアルなタイムラインが示されました。
現在の急性期から、包括期(高齢者救急対応)にシフトしていく病院がでると思われます。
その中で違う視点での議論も出ました。
“増え続ける救急患者に対応する”だけはなく、
“救急になる前に対応する医療”へシフトすること。
つまり、発症後対応から、予防・重症化予防・地域連携への転換です。
・理想の政策と「現場の実装負荷」のギャップ
方向性には大いに共感する一方で現場にいる立場としては、
「人的資源や実装負荷まで、本当に現場が見えているだろうか」
という危機感も感じました。
現場はそんなに甘くない危機的状況をすでに迎えているのです。
医療機器の更新ができない病院、看護師不足で病棟閉鎖をしている病院があります。
理想的な地域医療構想を実現するには、
・人材不足
・医療従事者の疲弊
・地域差
・データ連携
・現場の行動変容
など、“現場レベルでの課題設計” が不可欠だと思います。
② ランチョンセミナーでは、名古屋名物「矢場とん」をいただきながら、AIを活用した予測医療・個別化医療について講演がありました。
これからの医療は、
「病気になってから治療する」、「異常値が出てから治療する」
だけではなく、
・疾患発症リスクを予測する
・将来を予測する
・個別に予防介入する
時代へ。
これこそが、 “救急にならない医療” を実現する大きな鍵になると感じています。
2028年までの2年間は、医療機関だけでなく、医療DX企業やコンサルティング企業にとっても大きな転換期になると感じました。
これから求められるのは、理想を語ることではなく、現場で実装できる仕組みを共に作る力ではないでしょうか。

