【第28回日本医療マネジメント学会参加レポート 3/3】~医療DXの実装とDX人材育成戦略から考える~
今回のシンポジウムで最も印象に残ったのは、
「DXの主役はシステムではなく、人である」
というメッセージでした。
医療現場では、人材不足、働き方改革、物価高騰、医療の高度化など、複数の課題が同時進行しています。その中でDXは単なるIT導入ではなく、医療を持続可能にするための経営戦略として位置付けられていました。
講演で共通して語られていたのは、
・DX人材は外部採用だけではなく、内部育成が重要
・現場と経営、現場と企業をつなぐ「翻訳者」が必要
・DXの出発点は現場の「面倒くさい」にある
・高額なシステム導入より、まず業務のムダをなくすことが大切
・DXはコストではなく、将来にわたり価値を生み出す資産と考えよ
という考え方です。
特に印象的だったのは、
「できることをやる。そうすると、できることがだんだん増えていく」
という言葉でした。
最新のAIやロボットを導入しても、うまく活用されなかった事例の報告もありました。
そして講演の中で語られていた“現場の本音”として強く共感したのが、
「ベンダーが“伴走します”と言っても、現場とベンダー間でしばしば認識のギャップが生じる」
という指摘です。
なぜなら、“伴走”としていても実際には
・導入時だけ顔を出す
・現場の文脈を理解していない
・運用フェーズで手が離れる
・結局、現場が“自力で回す”ことになる
という経験を、医療機関は何度も繰り返してきたからです。
だからこそ、まずはムダを見直し、現場の「面倒くさい」を言語化できる人材が必要になるのです。
まずは、
・慣習で続けている業務はないか
・本当に必要な作業か
・もっと簡単にできないか
・現場が困っていることは何か
「ムダ」を見直すことから始まります。
私は医療現場経験の中で、業務改善や人材育成、ICT活用に取り組んできましたが、今回の学びを通じて改めて感じたのは、
「DXとは組織開発そのもの」
だということです。
私の経験でも、
生成AIを導入したから、はい!使ってみて!
内製化ツールを作って、便利だから使ってみて!
っといってもなかなか浸透して使われないのです。
なぜでしょうか?
「自分事でない」からです。
「その先の姿」未来が見えていないのです。
これからの医療機関には、システムを導入する人ではなく、
「現場の課題を言語化し、仕組みに変え、人を巻き込みながら改善を続けられる人材」
がますます求められるのではないでしょうか。
人材不足が進む未来にとって、
“何を効率化するか” だけでなく、“何をやめるか”
を考えることも重要だと感じたシンポジウムでした。
あなたの職場には、「昔から続いているけれど、やめても困らない業務」はありませんか?

