「サポートする」という言葉の解釈〜特定保健用食品と消費者のあいだにある期待値ギャップ〜
最近、トクホ(特定保健用食品)の商品をよく見かけます。
健康のため、あえて高額なこれらの商品を摂取している方もいるのではないでしょうか。
まず前提として、保健機能食品には制度上の分類があります。
・特定保健用食品(トクホ)
・機能性表示食品
・栄養機能食品
これらは、消費者庁から科学的根拠や基準に基づいた審査を通過した信頼性のある食品です。
例えば、下記のような表現を見かけました。
HbA1cの低下を「サポートする」
この「サポートする」という言葉は絶妙な表現です。
メーカー視点では、
・論文に基づいている
・効果を断定していない
・制度上も、審査に合格し適切
つまり、正しく設計された表現です。
では、消費者の視点では、同様の認識をするでしょうか。
・HbA1cが下がるヨーグルト
・論文でも0.1%下がったデータがある
・病院で、HbA1cの値下げるように言われるしなあ
と理解し、「食べれば下がる」という期待を持ちます。
しかし臨床検査技師の視点から見ると、また違います。
・HbA1cは過去1〜2ヶ月の血糖状態の指標(過去の糖分摂取の状況)
・0.1%は測定法にもよるが、測定誤差でも起こり得る
・糖化ヘモグロビン(HbA1c)は非可逆的変化
・低下する場合、赤血球(HbA1cを含む)の破壊や寿命
・糖の吸収抑制や、血中の糖の糖化ヘモグロビン化抑制ではないか
と考えます。
つまり、メーカーの表現「サポートする」は正しい。
消費者の期待も自然。
医療の解釈も妥当。
糖の吸収を抑制する効果は、大いに健康に寄与します。
高血糖による血管への影響を抑制することが大切なのです。
それでも、二者のあいだに「認識のズレ」が生まれる。
この認識の違いが、様々なギャップや課題となってきます。
この構造は、医療DXでも同じです。
・システムは正しく導入される
・データも正確に取得される
・現場も努力している
それでも現場では、
「思っていたのと違う」
が起きます。
その原因は、「情報の正しさ」ではなく、「認識の不一致」です。
DXを成功させるために必要なのは、単なるデータやシステムではなく、
「意味を理解し、共有認識として共有する設計」 です。
DX導入前の課題→DX導入後の効果→導入後どうありたいか(ここが大事)
提供側と顧客側が共通の認識を持つこと。
「認識のズレ」を放置してはいけません。
それが、円滑なDX導入の前提条件であると考えます。
皆さんは、どんなトクホの食品、活用していますか?

